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(2003年12月5日発行)

* 警察見張番だより第12号
***** もくじ *****

お読みになりたい項目をクリックしてください。

     ● 交番を市民のものに!       (弁護士 佐久間哲雄)

     ● 変わらぬ県警問題体質      (弁護士 鈴木 健)

     ● 仙台市民オンブズマンによる県警不正経理追求活動
                           (弁護士 山田 泰)

     ● 防災警察常任委員会を傍聴して     (山田 健造 )

     ● 「検察調書があかす県警の犯罪」を読んで・・・
              その@:日本国民救援会会長 (山田 善二郎)
              そのA:東京都 社会人学生
              そのB:「市民オンブズマンいわき」会員
              そのC:普通に生きている人間

     ● <事務局より>

     ● 編集後記

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● 交番を市民のものに!    (弁護士 佐久間哲雄)
 私の子供のころ、警察と言えば「お巡りさんと交番」ということであった。交番の前に
何時もお巡りさんが立っていた(実際はそんなことはなかったと思うが)。お巡りさんは、
威厳があり恐ろしくもあったが何処か優しさを漂わせ、子供心に親しみを感じさせたもの
であった。

 現在、交番は全国では6500箇所ほどあるとのことである。近頃の交番は、警察官が
立ち番をしているのは、駅前の交番とか非常に人の多い繁華街になる交番に限られ、いわ
ゆる普通の交番では立ち番をしている警察官をみることはまれになった。先日、テレビ放
送の中で交番にふれたところがあったが、電話をかけても出てくれない、訪ねて行っても
警察官が不在のいわゆる空き交番が多い、との市民の批判があることが紹介されていた。
 よく知られているように、日本の警察の交番は、世界の注目を集めている存在である。
本来の交番の機能が発揮されていない原状は、早急に改善されるべきだろう。
 犯罪件数の激増、特に凶悪重大犯罪の増加により、警察の力が凶悪事案の捜査に向けら
れ、交番の機能に代表される極く普通の犯罪に振り向けられる力がおのずと手薄になる事
情があるようである。また、110番の利用が増え、交番に詰めている警察官が現場に急
行するケースも以前と比べると相当増えていると聞く。その結果として空き交番という現
象になっているのであろう。

 松沢神奈川県知事は、選挙公約で1500名の警察官増員を約束していた。警察庁は、
平成16年度までに全国2万人の警察官の増員、その後も引き続いての増員をうち出して
いる。

 日本の警察官は、24万人強の人数で、警察官1人で国民560名程度の割合である。
アメリカ、イギリスでは、警官1人/400人弱の国民、ドイツおよびフランスでは、警
官1人/300人である。日本は、先進国の中では飛びぬけて多い。最近の日本の治安情
勢の悪さを思うと、やがて欧米先進国なみの警察官が必要になるのかも知れない。

 思うに、市民の警察に対する理解協力がないところでは、警察官の数をどのように増や
したところで治安の確保は難しいに違いない。市民と警察との接点としての交番を生き生
きとしたものに是非とも生まれ変えさせたいと思う。思い切って、増員された警察官を可
能な限り交番の充実に振り向けたらどうだろうか。また、現に動き出している交番相談員
を飛躍的に増やし、警察官OBからでなく一般企業のOBからの採用を拡大したらどうだ
ろうか。また、交番の機能を新しい視点から見直し、時代に即応したものに変えることも
検討して欲しいものだ。

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● 変わらぬ県警問題体質  (弁護士 鈴木 健)
・・・私の全国デビュ−?・・・ 
 この夏の間に、神奈川県警茅ヶ崎警察署において、万引や自転車盗等の少年事件約
250件(1996年から2000年まで)分の捜査書類が放置され、そのうち約3
分の1が公訴時効にかかっているという事実が発覚したことで、テレビ朝日の報道番
組から取材依頼を受けました。私自身は、以前テレビ神奈川より同種の取材を受けた
ことはありましたが、全国ネット局の取材を受けたのは初めてでしたので、これが私
の記念すべき「全国デビュ−」となったのでした。

 それはともかく、このような場合に即座に取材依頼が来るということは、警察の不
祥事を監視する団体としての「警察見張番」の認知度が高まってきたことの何よりの
証左であり、率直に嬉しく思います。
 それにしても、厚木署集団警ら隊の分隊長らが新隊員らに暴行を繰り返していた件、
相模原南署の巡査長が押収品のネガフィルムを外部に持ち出し、写っていた女性にネ
ガの買い取りを要求していた件などの、いわゆる神奈川県警の一連の「不祥事」が発
覚し始めたのが1999年秋であることを考えると、県警幹部が「不祥事撲滅に全力
を尽くす」と会見で述べた以降も捜査書類の放置は継続されたことになりますし、
2001年に公安委員会かの指示に基づき「監察実施結果」報告書(『検察調書があ
かす警察の犯罪』336頁以下参照)をまとめた以降も、捜査に着手し公訴時効とな
ることを防ぐ努力は何らなされていなかったことになります。
 以前、例会で警察ジャーナリストの寺澤有さんにご講演いただいた際に、寺澤さん
が「一連の不祥事発覚後も県警の体質は何ら変わっていないと思う」と指摘されたこ
とを思い出しました。警察見張番の活動は3年目に突入いたしますが、このように警
察の自浄能力に期待できない現状が続く以上、我々のような、オンブズマン活動によ
って監視の眼を光らせる団体の存在意義が衰えることはありません。

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● 仙台市民オンブズマンによる県警不正経理追求活動
      (弁護士 山田 泰)
 8月30・31日の両日にわたって、「第10回全国市民オンブズマン大会in仙台」 が開催されました。仙台市民オンブズマンが県警不正経理をどのように追及しているか を報告集等に基づき紹介します。  まずは情報公開訴訟です。  平成13年6月、県警の旅費・食糧費の受取りの公開を求める訴訟が仙台高等裁判所 で勝訴し、また平成14年5月には県警総務課の旅費文書につき情報公開審査会で開示 を認める決定を得たりしています。そのほか犯罪捜査報償費の公開を求める訴訟も提起 されています。  他方住民訴訟では、平成14年3月には、仙台地裁において1人上限8000円を越 える官官接待費の返還を命ずる判決を得(確定)、また県警総務課カラ出張旅費返還訴 訟では裁判途中の同年5月被告側が全額返還することになりました。県警総務課カラ出 張旅費第2次訴訟も提起されています。  更には仙台地検、仙台高検、東北公安調査局の調査活動費の公開訴訟も行われていて、 三井環元大阪高検公安部長や元検察事務官が流用や領収書偽造を証言するなど面白い展 開をみせています。

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● 防災警察常任委員会を傍聴して   (山田 健造 )
 
 平成15年10月2日・7日の二日間にわたり「防災警察常任委員会」を傍聴しました。
前回(7月3日・8日)と変わった点は、開会時の呼び出しが氏名を呼ばず、受付番号に
よる傍聴札(首からさげる)の交付です。前回の傍聴後、一人一人氏名を読み上げること
は、個人情報保護の観点から問題であると「かながわ市民オンブズマン」として県議会議
長宛に申し入れをした結果かもしれません。

 10月2日の質疑は、主に防災関係で、先日の北海道地震によるオイルタンクの消火剤
応援のために消費した分の補充の方法、及びそれに伴う予算、横浜・鶴見・川崎の備蓄状
況などについてにほとんどの時間が費やされました。間近にあるやもしれぬ東海地震、神
奈川県西部、東京湾直下型地震などについても質問が集中し、防災関係部局担当者が答え
ていましたが、目をこらし、耳を傾けていても判ったのは、新聞の切り抜き、週刊誌のコ
ピーが委員の質問のネタらしい、ということでした。

 「東海地震に対する県の所感は?」の質疑応答は、誠に不思議に思いました。答えたの
が県温泉地学研究所(生命の星地球博物館)の所長で、ボソボソと「45カ所の測定点で
観測しているが、今の時点では答えようがない」という返答です。国の判定会が長い年月
と巨額の予算を使って設置した最新機器を使いながら、「予知は不能」の結論らしきもの
を出したのは最近のことだと思いますが・・・? 県の地震関係の予算は、各部局を含め
ても、5,000万円に満たない、と聞いて判りましたが、これでは委員から「所感は?」と言
われても困るでしょうね。

 10月7日は、警察関係の質疑が行われました。特に、知事部局提案による治安強化に
対する警察官増員のための予算審議に長く時間が取られました。長く時間が取られたと言
っても、県警本部長・総務部長と委員たちとの遣り取りです。
 知事側の、警官増員により犯罪検挙率50%位に上げたいという希望に対して、質問す
る委員は「知事の目標50%なんて出来るはずはない」とマニフェスト攻撃に終始し続け
ていました。県警は、現行の19.2%を、数値目標25%にアップしたい、知能犯犯罪
の若年化のために、パーセントを上げるのが非常に難しくなっている、と答えていました
が、これは知事の顔を立て、議員先生の顔も立てたのでは・・・?と思ってしまいました。
終始しつこく長くボカシタ応答から、やっと判ったことは、増員しても養成に2年〜2年
半くらいかかり、実際に戦力化するのは、平成18年以降である、ということでした。

 昼の休憩に入った時、「各会派が団会議に入るため、午後の開会時間は何時になるか判
らない」と議会事務局から言われましたので、担当職員に下記の質問・要望をしました。
@ 委員会の審議内容の資料配付または貸し出しをして欲しい。
A 委員会室内での委員席に置かれている灰皿の撤去をして欲しい。委員は、審議中に上を
向いてタバコをプカプカ喫っている。健康増進法を理解しているのか。

 この点について、担当職員は「常任委員会は、県議会および議員の自主的な運営である
から、事務局としてはそれらを言うことは出来ない、そういう声があることはすでに議員
には伝えてあるのですが・・・」という返事でした。さらに、一向に変わらぬ点に不満を
もつ私は誠にバカな質問をいたしました。
B 委員会に出席する委員は、本当に県民から選ばれた議員ですか?
と質問をしてみました。担当職員は大真面目に、「議員です。間違いなく県民が選出した
県議会議員です」と2回、念を押して答えてくれました。

 傍聴してしみじみ感じることは、委員(議員)はもっと勉強して欲しい、ということで
す。質問内容から判断すると本当に不勉強です。警察防災常任委員会というのは、防災に
せよ、警察関係にせよ、ただ質問をして担当者が答えるだけの場に過ぎない感じです。議
員は、県民の真意を深く知って、その代弁をする役割ではないでしょうか。現況は、政争
の具として議会(委員会)を利用しているとしか思えませんでした。県民不在の感を強く
持ちました。必死に目をこらし、耳を傾けても、数値等をメモするのもなかなか出来ませ
ん。パーセントの数字に記憶違いがあるかもしれません。是非とも、次回の委員会からは
審議資料を配付(貸し出し)して欲しいものです。今後時間をかけても、本当に開かれた
議会になることを望む県民の一人として、傍聴の感想を書き記しました。

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