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(2005.08.24.)

* 警察見張番だより 18号
***** もくじ *****

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     ● 戦後60年――成熟した還暦?      (北川 善英)

     ● 信頼される警察へ、原田さんの苦闘    (星川 勝)

     ● 闇にまぎれた現実の不可解       (間瀬 辰男)

     ● 講演を聞いて、ひとこと感想集      (参加者の方々)

     ● 真に国民に期待される警察の実現をめざして!  (大河原宗平)

     ● 事務局より(総会報告など) 

     ● 編集後記

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● 戦後60年――成熟した還暦?      (北川 善英)
横浜国立大学 北川 善英
 今年は、日本にとって、東京大空襲・原爆投下・ポツダム宣言受諾など第二次大戦に係わる
「60年」の節目の年である。人間ならば、成熟した還暦を迎えたことになる。しかし、わた
したちの社会は、果たして「成熟した還暦」を迎えたと言えるのだろうか? 

 ところで、大学で学生を教えていて感じるのは、5〜6年前から、「筋道立てて考える力」
(総合的判断にもとづいた論理的思考力)が急速に低下していることである。
  理数系の「学力低下」が言われるようになった時期と重なっている。しかも、数学の学力
が高ければ「筋道立てて考える力」があるとも言えないから、問題は深刻である。そのような
論理的思考力の低下は、学生に限ったことではなく、私たちの社会についても言える。

 靖国神社問題―政治家もマスメディアも、基本的な事実をなおざりにしたままで議論を展開
している。靖国神社は、現在では、創価学会やかつてのオウム真理教と同様の一宗教法人であ
るという事実である。また、靖国神社が祀っている「英霊」の中には、本人の意志に関わりな
く一方的に祀られたケースが少なくない。さらに、日本には、「神社」・「英霊」と結びつか
ない形で戦死者を悼む伝統も存在している(仏教)。その他の事実を総合して論理的に判断す
れば、靖国神社問題
は、「戦後60年」を待つまでもなく解決できていたかもしれない。
 アジア侵略と植民地化―日本がアジア諸国の意志と無関係に武力侵攻したことは事実である。
当時、欧米諸国も帝国主義としてアジア諸国を植民地化していたからといって正当化できるこ
とでもない(泥棒から盗品を盗んだ者も、また泥棒である)。その規模や法的根拠がどうであ
れ、重慶に対する無差別空爆・南京虐殺や従軍慰安婦・731部隊もまた事実である。そうし
た事実に代表される過去の戦争に対する責任問題と、過去の戦争責任を十分に果たしてこなか
ったという戦後の責任問題が、曖昧にされつつある。
 現在の問題では、憲法改正によって集団的自衛権を認め、自衛隊を海外派兵すれば国際貢献
できるという議論も、郵政民営化によって財政赤字が解消できるという議論も、具体的な事実
にもとづいた総合的な判断が示されていない、根拠の希薄な議論でしかない。

 ところで、GHQのマッカーサー将軍は、1951年の議会証言で、「近代文明の標準に照
らし合わせて、我々が成熟した45才であるとすれば、日本人は12才の少年だ」と語ったが、
ブッシュ政権のアメリカは「12才の暴力少年」に退化しつつあり、小泉政権の日本も「12
才の不良少年」に退化しつつあると言えなくもない。
 私たちの社会が「成熟した還暦」を迎えるためには、何が必要なのか、どうしたらそれが実
現できるのか、「戦後60年」を迎えた私たち一人一人の課題である。
           

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● 信頼される警察へ、原田さんの苦闘  
   (星川 勝;一般参加者)
 「私のざんげ話を聞くために、暑い中来てくださってご苦労さんです」。

道警の元幹部・警視長の地位にいた内部告発者は、背は低くがっしりした体格で、丸顔に短髪
で眼鏡をかけた、気さくな小父さんでした。冒頭のことばで参集者の笑いを誘い、とつとつと
「これから話すことは、すべて本当の話です」と始められました。
 当初私は、北海道新聞一面トップの大見出しとなり、以後しばらく道警を機能麻痺させ、警
察庁も震撼させた内部告発者・原田さんのそれまでの心境や、その後の妨害の数々といった、
暑気払いに相応しい話かなと期待していました。しかし私の呑気な期待は、体験を基に事の本
質を見据え、実践しようとする原田さんの姿に、否応なしに改めさせられました。
 
 原田さんは、単刀直入に「裏金」の話に入りました。警察に協力した者には謝金が支払われ
る制度があることは一般に知られていない。それを悪用し裏金はいくらでも作れること。しか
も支払いの基準がなく、むしろ基準があれば裏ガネづくりの邪魔になること。事件をデッチあ
げればいくらでも裏金をつくれること。その上、内部監査はもちろん、公安委員会、会計検査
院、都道府県議会などのチェックもすべて機能しないという話に、私は改めて裏金の根深さを
知らされました。原田さんは稲葉某というかつての部下で信頼するベテラン刑事が罪を犯すと
いう事件に衝撃をうけ、何故、何故と問い続け、結局裏金問題も警察不祥事も、根は同じの組
織の病理に取り組む必要を確信します。原田さんはこの確信を実行するにあたって、強大な警
察権力機構を相手にするには、実務で手を汚した者より、その果実を味わった者が、しかも出
来るだけ上位の者がやらなければ・・・と、一人心に秘めたのです。強い部下思い、細心の注
意、花火を打ち上げるだけで終わりにしない原田さんの責任感、そこに私は深く感動しました。
04年2月10日の告発記者会見の後、ご本人の苦悩はいかばかりだったことでしょう。当然
考えられる警察組織からの脅迫やあるいは懐柔、マスコミの動き、そしてご家族への対応など
のご苦労を想像すると、耐え難いものだったに違いありません。にもかかわらず、原田さんは
個人的なことには触れず、組織内のこと、部下のことに、そして改善されなければならない警
察をめざして語り、時には会場の人々を笑わせながら具体的に、丁寧にお話されました。私は
そのことにも心が動かされました。

 2月10日の原田さんの告発に触発されて、かつての部下・斎藤邦雄氏(元弟子屈署次長)
が告発をしました。そのことに、原田さんは励まされたそうです。この関係を原田さんは、二
人の共通の趣味・ツーリングの要諦(相棒をおもいやりつつ、先頭で風を受ける役を適宜交代
する)に例えられました。ここにも、日頃部下を大事にし、いい関係を作り上げている原田さ
んの人柄が見えます。

 警察組織にある根本の病理を改善しようとする原田さんにとっては、04年9月13日に道
警本部長が道議会でおこなった「裏金を認め、利子を含めて8億5千万円を返還する」という
陳謝説明は、極めて不満足なものでした。適当な額の金を返して、それで終わりにしてはなら
ないからです。そこで、原田さんは「明るい警察を実現する全国ネットワーク」を設立します。
数は少ないけれど全国に散在する同志を集め、ひたすら職務に専念する第一線の警官のため、
第二の稲葉を生まないため、そして庶民に信頼される警察にするために活動を開始します。
 誠に時宜にかなう会の発足とその勇気に私は敬意を表します。この会と警察機構とでは、蟻
と象のようなものかもしれません。しかしこの会の誕生は、多くの組織に潜在する告発予備者
に踏み出す勇気をあたえてくれるでしよう。    
 原田さんの「皆さん、関心を持ち続けてください」の叫びに応えなければ、と痛感しました。

<参考資料として>
1)警察官の階級
警視総監 警視監 警視長 警視正 警視
警部 警部補 巡査部長 巡査の9階級)
       (平凡社世界百科事典より)

2)北海道警察裏金事件の経過
(北海道新聞による。裏金問題では中央紙より地方紙の北海道新聞が勇敢に切り込んでいます。)
03・11・25(火)
一面で道警「捜査報償費不正支出か」、社会面で道警報償費疑惑「死者に2万円渡す」と報道
を開始する。
03・11・29(土)
道警本部長28日定例記者会見で「適正に執行している。事後チェック、内部監査も万全であ
る」「(証拠として示された資料について)出所のはっきりしない文書にはコメントできない」
と疑惑を否定する。
03・11・30(日)
「支払い対象者12人受領否定」とキャンペーンを強める。
03・12・16(火)
弁護士グループ、15日住民監査請求をおこす。
04・2・10(火)
一面で道警報償費で監査委員「住民監査請求を棄却」を報道した。道警が聴取を拒み、裏付けが
取れず判断できなかったため棄却とした。社会面ほぼ全面で詳しく報道した。原告側は住民訴訟
の準備に入った。
04・2・11(水)
一面「道警全体で裏金づくり」「報償費疑惑、警察庁接待、餞別に」「幹部は謝罪、返還を」
「元釧路本部長が証言」などの大見出しで10日おこなわれた原田氏の記者会見のもようが報道
された。社説でもとりあげ、社会面でも原田氏の心情の吐露を伝えた。
――以後、激震は警察庁を含めて全国に伝わる。北海道新聞は丹念に伝えている――

04・2・20(金)
社会面「不正認めぬなら次は私」「OB十数人証言の構え」の見出しで、原田氏に続いて証言し
ようとする動きがあることを伝えた。
04・9・13(月)
夕刊「組織的裏金認め陳謝」「道警本部長 道議会で中間報告」の見出しで、裏金は約14億円。
その中、使途に問題のない約7億円を除き、約6億7千万円を返却する。年内に最終返還額をま
とめるとし、極めて遺憾だと頭をさげたことを伝えた。
――これで問題は解決したのか。そうではなく、ほんの少し扉が開きかけただけです。ぜひ関心
を持ち続け、支援を! それが原田氏の最も訴えたいことと思いました。なお、北海道新聞の記
事は、横浜中央図書館で調べた記録です。――

3)文献
@原田宏二 「警察内部告発者」講談社
05年3月発行
A「週間金曜日」特集「警察の裏金」号
       No 529    04・10・22
    以上(星川 勝)
    

「明るい警察を実現する全国ネットワーク」
 (全国市民オンブズマン連絡会議HPより)

2004/10/23に、警察職員OBと、市民オンブズマンの弁護士有志が「明るい警察を実現する全国ネ
ットワーク」を設立。現在活動中(下記参照)。
<現在の具体的活動>
○愛媛県警現職警察官・仙波敏郎巡査部長を支援。
愛媛 国賠訴状 
愛媛 不服申立書 
7/12(火) 愛媛県警仙波さんの国家賠償請求訴訟 
8/30(火) 愛媛県警仙波さんの警乗手当請求事件

○群馬県警 大河原宗平元警部補を支援。
6月30日(木)午前11時 群馬県人事委員会の公開審理

○長崎県警 大宅武彦元警部補、高知県警片岡壯起元警部を支援。
9/27(火)片岡さん処分取り消し訴訟
各地のシンポジウムに参加している。
05/9/10-11 第12回全国市民オンブズマン別府大会
賛助会員
「ニュース」を発行。
            @ @ @  
詳細は、下記HPをご覧ください。     
    http://www.ombudsman.jp/akarui/    
なお、「ニュース」創刊号を添付しましたので、ご参照ください。  以上(編集子)
       

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● 闇にまぎれた現実の不可解       (間瀬 辰男)
 原田氏の講演を聞いて、会社勤務40年の経験から、感想を述べてみたい。

@盛会に感動
 組織的動員など無いのに、あれだけ沢山の人が参加したことに感動した。警察の報償費問題に
対する社会の関心が高いことが確認できて、ある種の安心感を覚えた。別の見方をすれば、原田
さんの勇気ある行動を見殺しにはしない、という人々が多数存在することを確認できたからであ
る。

@警察の組織構造の特異性
 警察の組織構造を知っている人は意外に少ないのではないだろうか。つまり、ひとつの権力組
織が、ある階級より上は国家公務員、それより下の階級は地方公務員という構成になっているか
らである。これを変えるか変えないかはともかくとして、何故こうなっているのかについて、も
っと納得のいくまで議論してもいいのではないか、と思うのである。
 宮城県知事が自己の権限である報償費の執行停止をした。このことについて、警察庁長官が横
槍をいれたことに端的に表れている。捜査上支障があるという障壁に加え、組織の二重構造が、
県は、金は出すが口は出せないという空白を生んでいるのではなかろうか。当然、内部において
もこの二重構造が、代官と領民という意識を生む風土となっていることだろう。講演を聴いてい
るうちに、頭の中に上下差別の風景が去来し、餞別の原資が必要となるのも、むべなるかなと思
えてきた。
@信じがたい現実の事々           
・報償費の存在自体が不可解
 普通の人は、目撃したことを警察から尋ねられたとしても、報償費などもらったことはない。
道を聞かれて知っていることを教えた程度のことと変わりがないと思っているからである。だか
ら、警察は報償費の具体的支出事例を国民に説明すべきである。具体的事例を説明したからとい
って支障が出るとは思われないからである。なぜ、説明できないのか、私には理解できない。
                           
・ふたつのハンコ
 署長で赴任すると、自分が普段使うことの無いハンコが、もうひとつ用意されて会計で保管さ
れている。これで、自分の知らないところで決裁印として使用されているという。この話は、私
には理解不能の話である。
私のかつていた職場と比較してみよう。職場では、仕事上使用するハンコは当然ひとつであり、
登録されていた。内部検査の時には、登録外のハンコの使用が検査の項目になっていた。ハンコ
は責任の所在を示す手段であったからである。用心深い人は朱肉を会社支給のものではなく、自
分専用のものを購入して使用していた。また、不本意な決裁の場合は、ハンコを斜めに押すとか
印影の一部を押印欄の枠からはみ出して押印するとかまでしていた人もいた。
 決裁という職務上のハンコがふたつあるということ自体が不正である。本当の話かと、今も信
じられない。
              
・会計検査院の検査
 会計検査院の検査が入ると、報償費が支出されたことになっている事件はもともと架空の事件
であるので、説明のために事件のストーリーを作り、とちらないように覚えなければならないの
は大変だったという話にも、こんな検査がありうるのかと今でも信じられない。
 私のいた職場では、内部検査はもとより、外部の監督官庁の検査、会計監査法人の監査があっ
た。どの検査も口頭説明は求められた時だけであり、全てが関係文書による検査又は監査であっ
たからである。立件が終わったものは捜査上の障害はないはずである。だから、大部分のものは
捜査書類、報告書類が検査の対象になると思うからである。
 
もし、そうでないなら、検査院の検査そのものが検査の体をなしていないので意味が無いと言え
る。

・返還金の根拠となった調査
 9億1600万円の返還で幕引きになった。これも信じられない。なぜなら、聞き取り調査に
しろ、その基本資料は支出決裁書類のはずであるからである。調査では個別の支出資料により金
額・関与者が特定できているはずである。また、個別に、返還しなければならなくなった理由が
特定されているはずである。返還該当分は虚偽公文書作成、詐欺、横領に該当するはずである。
また、この調査文書は犯罪に関係ないものなら、情報公開の開示対象文書になる。杜撰な調査で
すますことができたとは思えない。この種の話は、何もなかったことになるか、ある程度の犠牲
者を出すかしかないはずで、中途半端は通らないはずである。それなのにそれがまかり通るとは、
これまた、信じられない。
          ◆◇◆
 都合の悪いことはできるだけ隠したいというのは、人の習性である。だから、隠したいことは
闇にまぎれて行われる。それなのに、警察のように捜査に支障があるという理由だけで、隠さな
くても見られることはないという状態を作り出せるのであれば、隠したくなるようなことでも躊
躇なくできてしまうのも人の習性かもしれない。それ故、原田さん達が進める「明るい警察を実
現する」活動は大切であり、なかでも公の情報の公開にはタブーを設けるべきではない、と考え
るのである。

 

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● 講演を聞いて、ひとこと感想集      (参加者の方々)
 
――会場のみなさまから――

  もっともっと警察の病理の摘出を!官僚は組織防衛に長けているが、昨年のオンブズマン
全国大会、本日と原田さんの話をきいて、警察官僚が全国隅々で神経を行き届かせて組織防衛
に努めているかが良く分かった。
 これは、警察一家というべくヤクザ組織と比較研究すべき課題であろう。それと、警察官が
どんな教育システムで教育され、どんなテキストで授業を受けているかを明かにしていく必要
があろう。                                     (川筋の住人)


 普段知り得ない警察内部の話が聞けて有意義な原田さんのお話でした。同時に、国会議員と
地方議員が如何にこの腐っ警察を正そうとしていないかも判った。また、こういう機会が有る
事を願い、国中に真実が広がる事を望むものです。   (清水俊三郎)

  
北海道警察の裏金問題を内部告発した原田宏二さんという人に興味がありました。内部告発を
する人は、かなり強い人ではないかと思ったからです。でも、実際の原田さんは、とても人の
良さそうな感じでびっくりしました。それから、話し方が、世間話をしているように淡々とし
ているのにも驚きました。また、何度も会場に笑いが起こるほど、ユーモアある話し方でした。
例えば、会場から「何が県費で、何が国費で支払われるのか」という質問に対して、「僕は裏
金には詳しいけれど、表の金については・・・」と述べ、会場に爆笑が起きました。
その他感じたのは、暖かい人だなぁということです。告白という勇気ある行動は、部下に対す
る思いがキッカケになったということを知り、聞いている人たちも心がジ〜ンとなる感じでし
た。
体験に基づいた裏金づくりの具体的な話を聞き、どうやって裏金をつくるのかよく分かりまし
た。それが習慣になっていることも聞いて驚きましたが、神奈川県警も、同じようにやってい
るのではないだろうか。                              (浜の良やん)

内部告発された原田さんの勇気に敬意を表します。不正をなくすには制度を変えないといけな
い。市民が関心をもって不正を正さないといけないと思います。
                                                    (矢後)


7月29日、「警察のまやかしと病理体質」
というテーマで原田宏二氏の講演を聞きました。原田氏の裏金告発に至った経過、またその内
容を、ご本人の口から直接に聞き、裏金問題の根の深さに驚くと同時に、国民の生命や財産を
守るはずの警察の暗部に触れた思いでした。
確かに、私たちは警察内部のことは何もわかりません。捜査費および捜査用報償費に関しては、
全国各地のオンブズマンが情報公開請求をしましたが、やはり「捜査上の秘密」を理由に明ら
かにされませんでした。
宮城県知事が不透明な捜査報償費の支出をストップした際に、警察庁長官が「言語道断」と発
言したことが報道されたことを思い出します。一知事が警察の聖域に踏みこむことは何事か、
ということなのでしょうが、知事は、県民の税金の使途を監視する義務があるわけで、これは
まさに警察官僚の思い上がりだ、と思います。
原田氏の言う如く、「国民の関心と監視」が現状を変える原動力になると痛感しました。
                                        (見田菊三)   


 関心を持つことの必要性と、予算を正しく使うことのできる市民・県民の県知事の必要性を
強く感じる。(ナルクス)
             
1)青少年犯罪が増えていると言われるが白書からみるとむしろ減っている。認知事件は青少
年が起こした犯罪か分からない。検挙率は、一生けんめい捕まえれば増える。捕まえやすい犯
罪は検挙が楽となると、青少年犯罪を増やしたいのは警察ではなかろうか?
             
2)万引き3回、たった8000円で少年院入りという話も聞く。少年院に入れば、更正はよ
り難しくなる。銀行に万引きはない。しょせん売らんかなで商店側の怠慢が万引きを誘発して
いる気がする。万引きを止めるのが青少年育成だと警察は言うが、青少年育成の方法は犯罪防
止だけでは古い。青少年を悪者にしているのは、大人と警察ではないだろうか?
3)「ねずみとり」は止めて欲しい。警察への信頼が薄れるし、もっと大事な重大な犯罪に力
を入れて欲しい。例、薬物!密輸!マフィア対策!
4)最後の弁護士の「警察職員の職場環境を良くする(=団結権なし、起訴中の休職扱いなし)
ことを大きな目標にしている」との会の趣旨説明が印象的でした。
 ともするとこの手の会は、「警察を目の敵にする、あざ笑う」といった共通項でまとまって
いると思われがちですが、実は一本筋が通っている」と感じました。しかし、講演会の後ろの
席に、警察をあざ笑う話が出るとチャンスとばかり大声
で笑う人が複数座っていました。この人たちは少し考えが違うようでした。
 原田氏の主張を知っており、青少年犯罪の防止で連携している警察官の苦労もある程度分か
っているつもりです。しかし、全体でみるとひどい!と言わざるを得ません。下で動く人より
上層部の問題でしょう。
 
◆ コメント
逮捕し易い(検挙率を上げやすい)青少年をターゲットにした防犯・検挙対策が警察を中心に
進められている。先般松沢知事は、社会を明るくする運動に寄せて「昨今、少年犯罪は『深刻
化』しており、平成16年の本件における刑法犯の『検挙』人員のうち3割強を少年が占めて
います」と書いている。
 確かに暴走族がおり、少年の「凶悪犯」が増え、万引きが増え、薬物違反事件が増えている
報道などから青少年犯罪が増えていると思い勝ちだが、本当に人口当たりの青少年犯罪は増え
ているのであろうか? 
 発表される数値は検挙した犯人の中の少年の割合であり、当然検挙しやすい少年の割合は増
える。捕まえにくい暴力団がらみの薬物販売犯の検挙率は相当低いと思われる。それなのにど
うして青少年犯罪が増えていると言い、それをターゲットにするのであろうか?
 大人が悪いから少年が悪くなるのではないか?反省すべきは大人の側である。(反古子)

        ◇ ◇ ◇
参加者から沢山の感想をいただきました。有難うございます。原田さんの内部告発について、
さらに警察内でどういうことが起こっていたか等をもっと詳しくお知りになりたい方は、原田
さんがお書きになった下記の本を是非読んでください。
「警察内部告発者」Whistle Blower
著者:原田宏二
  発行:講談社
  定価:1700円 
(編集子)


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